
近年,AI, ビッグデータ,5G などの情報通信技術が急速に発展しています。これらの技術が実⽤レベルに達した要因として, CPU などの演算素⼦の性能向上,ハードディスク・SSD などの⾼密度化が上げられます。今後,電⼦デバイスには更なる⾼性能,⾼信頼性が求められており,現在ではデバイスの最⼩線幅はナノメートル(10-9m)に到
達しています。そこで,極微⼩領域での構造観察および材料物性評価技術の進展が求められています。
量⼦エレクトロニクス研究室では,デバイス開発・製造プロセスに不可⽋な極微⼩領域での材料・表⾯の分析技術への応⽤に向けて,電⼦・イオン・X 線などの⾼輝度量⼦ビーム源を開発しています。
実際に研究室で開発している電界放出型電⼦・イオンエミッタとよばれ,⾮常に鋭い⾦属の針です。その先端の構造モデルを下に⽰しています。電界イオン顕微鏡像と呼ばれ,明るい輝点の 1 つ 1 つがエミッタ先端の原⼦の位置が観察されています。その先端の構造を 100nm 程度から数個の原⼦まで制御し,そこから放出される電⼦ビーム,イオンビームの特性(電流,エネルギー,スピン,質量電荷⽐)を評価しています。当研究室の評価装置のほとんどが独⾃設計されたもので,装置開発や改良において電気・電⼦回路設計,制御ソフトウェア開発,真空部品の設計を通じて,ものづくりの体験と問題解決能⼒を得てもらいます。